口耳四寸の巻頭

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所長の戯言・寝言です。 前の頁へ
平成 18 3 26   次の頁へ
No. 3 下戸と電ボ 目次へ

「瓜食めば 子ども思ほゆ 栗食めば ましてしのはゆ いずくより 来たりしものそ  眼交(まなかい)に もとな懸かりて 安眠(やすい)しなさん」・・憶良

山上憶良が下戸というわけではないが、上司の大伴旅人(おおとものたびと)が大酒飲みだった ぶん、下戸に思えてくる。 ところで、旅人は大宰帥(そち:大宰府長官)だが自身は不遇と思っていたらしい。 継体天皇期以前では、6代前のご先祖の室屋(むろや)、4代前の金村(かなむら)が大連 (おおむらじ)であるから、冠位制は違っても、末裔の大納言旅人は不満であったろう。 それに最愛の妻も亡くした。

「人もなき 空しき家は 草枕 旅にまさりて 苦しかりけり」・・旅人
「妹として 二人作りし わがしま(庭)は 木高く繁く なりにけるかも」・・々

旅人の子が家持(やかもち)である。4,516首にものぼる万葉集の選者とも伝えられている。
彼は歌の詠み過ぎか、父よりも政治の世界では不遇で、中納言どまりだった。
「伴大納言絵巻」にある平安初期の「応天門の変」で倅と一緒に犯人にされた伴義男(とものよしお)も大伴氏の末裔である。
金村時代に蘇我氏にやられ、旅人や家持は藤原氏(中臣)にいびられ、やっと義男が大納言になったら、又、源・藤原連合にやられた。

春の苑 紅にほふ 桃の花 下照る道に 出で立つおとめ・・家持
春の野に 霞たなびき うらがなし この夕かげに 鶯鳴くも・・々
うらうらに 照れる春日に 雲雀あがり 情(こころ)悲しも 独しおもへば・・々

神代時代からの軍人の家系なのに旅人も家持も歌人としてその名が残った。

ところで「電ボ」はアニメの「おじゃる丸」にでてくる。大酒飲みで酒癖が悪いそうだ。 電書ボタル(蛍)の略なんだそうで、NHKや犬丸りんのホームページに書いてある。 何故こんなことを書くかといえば、 私もかなり上戸で酒癖も悪く?、「電ボ」と陰口されているかもしれない。
「旅人と電ボ」。心の「Y」染色体も一系なのだろう。

参考:萬葉集・・角川書店

No.4に続く